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名も知らぬ誰かの偶像

雨が降っている

雨は
すごく高いところから
すごく早いスピードで
地上へ落ちる

でも
街ゆくひとびとの傘を
一瞬だけつつく
ただそれだけ

好きなひとの頬を
人差し指でつつくように
少しだけ傘をへこませる

眼を擦りながら
強くなったり
弱くなったり
する雨の中を歩く
TAXIをつかまえるのもいいのだけれども
もう少し
雨の息を感じてみたいなぁ
と想ってしまって
どうしても
濡れることを拒むことが出来ない

すれ違って
綺麗だなぁ
と想ったひとが
過去に好意をもったひとに似ていて
その瞬間に
敷き詰められた雲は晴れ渡り
降りしきる滴は色を変える

少しだけ目で追ってみても
一瞬目が合うだけで
そこから
なにも続きが存在しない

ドキドキしているのは
自分だけだから
それは当然のことなんだけれども
それの
そっけない感じがたまらなく嬉しいなぁ

似ている
というのは
外見だけではなくて
発している微妙な空気感
とか
着ている衣類の色合い
とか
街中に溶け込もうとしている感じ
とか
色々な要素があって

それでも
似ている
のだから
本人ではないわけで
それ以上にもそれ以下にもならない

芸能人そっくりさんのアダルトを観ている感覚

上戸彩でも大島優子でも
そっくりはそっくりで
本人ではないのだから
所詮はそっくりさんどまりなんだけれども
それが何とも言えずいいよねぇ

子供と産業廃棄物を一緒に産んでしまったかのような感覚

雨があがれば
眩しい光が灯るのだろうけれども
その眩しい光が
オレにとっては
結構つらいものなので
ずっと雨が降っていればいいと
想う

そうすれば
さよならを先延ばしにすることも出来るのに

by lastest | 2011-08-22 09:41